国内で使いづらい薬売る、再生医療の技術活用…
2006年8月18日 金曜日 井上 俊明
Keyward 医療 アンチエイジング 健康
この8月7日、東京・秋葉原の大型商業ビルの6階に「UDXクリニック」という診療所がオープン、関係者の注目を集めている。
このクリニックの売り物は内科と皮膚科のアンチエイジング医療。既にオープンしている隣の歯科クリニックと合わせれば、3科にわたる抗加齢医療が可能。このフロアーは、アンチエイジング医療モールと言ってもよさそうだ。
UDXクリニックを経営する医療法人の理事長は、日本抗加齢医学会の理事長で元参議院議員、水島裕氏(聖マリアンナ医科大学名誉教授)。大学発バイオベンチャーのLTTバイオファーマと、新薬の臨床試験の支援を手がけるアイロムといった上場企業2社が経営支援に当たるなど、話題には事欠かない。
男性ホルモンで更年期症状の緩和目指す
同クリニックでは、動脈硬化度、骨密度、酸化ストレス度などの検査を行ったり、サプリメントを処方したりする。ただし、「体によいことがわかっていても、日本では入手が難しい健康食品やホルモンを、自分の目が届く範囲で使ってみてその効果を評価したい」(水島氏)との目的から、簡単に買えるようなものは取り扱わない。
例えば、男性ホルモンの1種、テストステロンの軟膏を院内で調剤して販売する。このホルモンの減少は、性的欲求の低下や筋肉・骨量の減少、さらに気力の低下など、男性更年期障害の症状を引き起こす。それを補充することで症状の軽減を狙うわけだ。
そのほか、米国でシミ・しわ取りの薬としてポピュラーな、レチノイン酸のナノカプセルを配合した軟膏も処方する予定だ。
テストステロンには健康保険が適用されているが、性腺機能不全や男性不妊症に限られている。レチノイン酸の場合は、シミ・しわ取りの薬として日本で使用することはできない。それをUDXクリニックでは、全額患者の負担で販売する。
なお、隣接の秋葉原UDX歯科クリニックを経営するのは、「医療法人アンチエイジングインプラントセンター」。名前が示す通り、人工の歯根をあごの骨に埋めて歯を立てるインプラントのほか、歯周病を治したり歯を白く見せたりするなどの診療を行っている。
構造改革特区の横浜に株式会社経営クリニックも初登場
さて、最近、世間の注目を集めているクリニックがもう1つある。バイオマスターという株式会社が横浜市内に開設した「セルポートクリニック横浜」だ。株式会社の医療機関経営は禁止されているが、構造改革特区で、高度医療かつ自由診療の場合に限り認められるようになった。セルポートクリニックはその第1号だ。
この診療所もアンチエイジングに取り組んでいる。同クリニックが手がける女性向けの豊胸術や乳房再建術では、他の組織の細胞になる幹細胞を、脂肪組織から取り出して乳房に注入する。これを顔面に施せば、しわ取り術になるわけだ(詳しくはhttp://www.cellport.jp/参照)。
バイオマスターは東大発のバイオベンチャー企業。同様の会社は、UDXクリニックにも関与している。経営支援しているLTTバイオファーマもそうだし、検査の一部の委託先であるバイオマーカーサイエンスという会社もそうだ。ちなみにこの会社は、京都府立医科大学発のバイオベンチャーで、アンチエイジング医療の支援に取り組んでいる。
高度な科学技術と旺盛な事業意欲を兼ね備えたこうした企業は、アンチエイジング医療に新しい波を巻き起こすかもしれない。
(井上 俊明=医療局編集委員)
NB Onlineより

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